''Freakonomics Intl Pb: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything''の読書感想

Freakonomics Intl Pb: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of EverythingFreakonomics Intl Pb: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything
Steven D. Levitt Stephen J. Dubner

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はっきりいって、伝統的な経済学者からすれば、「こんなものは経済学じゃない」と思うだろうし、経済学のことを知らない素人からすれば、「え?経済学ってこんなこと学ぶ学問なの?」と思うような内容だ。でも面白い。経済学を勉強している人も、そうでない人も楽しめるはず。

いくつかの「conventional wisdom(社会通念)」が本当に正しいか、データに基づいて実証している。データはウソをつかないというのが著者のスタンスらしく、僕はもうこの著者の流儀に心酔してしまった。現実のデータに目を向けて注意深く分析した結果が、あまりに「ヤバイ」ので、邦訳版は『ヤバイ経済学』と訳されている。

例えば「アメリカで90年代に犯罪率が急落したのは、経済が回復したからでも、警察の犯罪捜査能力が上がったからでもない。中絶を合法化したことで、潜在的な犯罪者がそもそもこの世に生まれなくなったからである!(中絶をするのは、低所得、十代の若者など、育児能力がない人に多く、そういう恵まれない子供は将来犯罪者になる可能性がとても高いことに触れている)」みたいなことが書かれているから。

もうひとつ例を挙げると、相撲の八百長の存在も立証している。まず著者は7勝7敗で千秋楽を迎えた力士がすでに8勝を確保している力士と勝負すると、「統計的に見て勝ちすぎる」ことを示す。さらに、この同じ二人の力士がその次に(勝ち越し、負け越しに関係ない場面で)対戦すると、7勝7敗だったほうが「統計的に見て負けすぎる」ことを指摘する。つまり、星の借り貸しがあることを統計的に洗い出している。

伝統的な経済学者というのは、データと向き合わず、紙と鉛筆と数学モデルで世の中のことが分かった気になれる幸せな人たちの総称なんだが、この本の著者はあまりにもそういう伝統的な経済学者とはかけ離れている。

とは言え、著者のLevittは、Harvard卒、MITでPhD、Chicagoの教授、ジョン・ベイツ・クラーク賞(ノーベル賞より難しいといわれることもある経済学の栄誉ある賞)受賞、という学界でも高いポジションにいる経済学者。Levittの影響で、これからの経済学はようやく「現実に目を向ける」という方向に向かうのかもしれない。なんせLevittは、たとえば、親が子供の将来にどういう影響をもつか分析する話題で、

we are less pesuaded by parenting theory than by what the data have to say. (我々は、子育てに関する理論よりもデータを信頼している。)

とはっきり書いているのだから(pp.157)。

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このページは、danielが2007年4月 8日 21:21に書いたブログ記事です。

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