に引っ越しました。



1975年に出版された古い本だけど、いま読んでも勉強になる。いまでは類似本がたくさん出ているけれど、当時は新鮮だったのでは。


過去に僕が読んだことのある類似本。

『BCG戦略コンセプト』







(2015/3/10追記)
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ランチェスターとかよくわからないけれど、普通の営業本みたいな感じとしては悪くないかもしれません。当たり前のことばかりが書かれているけど、けっこうそんな当たり前のことができてなかったりしますからね。

営業本と言えば、以下がおすすめ。



(2015/3/10追記)
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 ダメだ。名著のはずなのに、僕の頭にはまったく入って来なかった。 タイミングとかもあるのかなー。またいつか読みなおしてみよう。

 

 うーん。経済学に対するリスペクトがなさ過ぎワロタ。

金融日記の書評だけ読んでおけばいいかなー。

でもベストセラーは目を通して世間の人がどんなこと考えているのかを知るのは大事なことだ。



一応読んでみたけれど、「本質的には、利益の出る事業計画を考えて、それを実現して、社会に付加価値を生んで、雇用を創出するのが経営者の仕事だよね」ということを強く思っただけだった。それをする能力がないのに、本書に書かれているような、その他のもろもろの小手先のテクニックを覚えてもしょうがない、というか、ゾンビ企業を延命させるだけでは?と思った。

それだけ。
 

まじで超いい本これ。 

著者の主張を僕なりにまとめると、
  1. 会計がわからんで経営はできない
  2. 値決めは経営
  3. 現実を正確に数字に反映させるような会計を順守せよ
本当に心を打たれる。

たとえば、「1.会計がわからんで経営はできない」について書くと、稲盛和夫さんの有名な言葉「売上を最大に、経費を最小に」について彼は

経営者は誰でも利益を追求するのだが、多くの経営者が売上を増加させようとすると当然経費も増えるものと思っている。これがいわゆる経営の常識なのである。しかし、「売上を最大に、経費を最小に」ということを経営の原点とするならば、売上を増やしていきながら、経費を増やすのではなく、経費は同じか、できれば減少させるべきだということになる。そういう経営がもっとも道理にかなっていることにそのとき私は気づいたのである。売上を増やしながら経費を減らすというのは、生半可なことでは達成できることではない。そのためには、智恵と創意工夫と努力が必要となる。利益とはその結果生まれるものでしかないのである。(p35-36)

と書いているのだけれど、売上を増加させ、経費を削減させるというのは、本当に生半可なことではできない。僕は、KSF(Key Success Factor)となっている経費の増加率を、売上の増加率以下に抑える、というのが経営のコツだと思っていたのだけれど。さすが1兆円企業を一代で築いた経営者はいうことが違う。

「2.値決めは経営」も稲盛さんの有名な言葉だけれど、

こんなことをしていたらどうにもならないので、私は「商売というのは、値段を安
くすれば誰でも売れる。それでは経営はできない。お客さまが納得し、喜んで買って
くれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高
ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければなら
ない」ということを社内の営業部門に対して繰り返し強調した。顧客が喜んで買って
くれる最高の値段を見抜いて、その値段で売る。その値決めは経営と直結する重要な
仕事であり、それを決定するのは経営者の仕事なのである。つまり、売上を最大にす
るには、単価と販売量の積を最大とすれば良い。利幅を多めにして少なく売って商売
をするのか、利幅を抑えて大量に売って商売をするのか、値決めで経営は大きく変わ
ってくるのである。(p37)

これも難しい。だいたい「顧客が喜んで買ってくれる最高の値段」って、いったいどうやって見抜くのだろう。似たようなフレーズに、「ボッタクリプライスはだめ」「フェアな値段で売ろう」「適正利益が確保できる値段で売ろう」とかいろいろな言い方があるけれど、現実の価格を決めるのは、確かに経営者の重要な仕事。まさに「値決めは経営」。

「3.現実を正確に数字に反映させるような会計とは何かを常に自問自答しないといけない」について、読んでいて、本当に心の底から共感することがたくさん記されていた。特に、資産と費用の区分について、バナナのたたき売りの例がめちゃくちゃおもしろい。

極端な話だが、たとえば町でバナナの叩き売りをやるとする。まず青果市場でバナナを一箱仕入れる。駅前で叩き売りをしようと、手近の人百屋に行って、
「リンゴ箱を一つ分けてくれ」と言い、空いたリンゴ箱を三百円で買う。リンゴ
箱の上にかける大きな布も要るので、隣の雑貨屋で一枚千円で買う。棒がないと
叩き売りにならないので、二百円で手に入れる。こうして商売の道具を一式そろ
える。
バナナは
一房五十円で二十一房を仕入れた。それを百五十円で売ることにする。
一房売れば百円儲かるわけだ。そこで日が暮れるまでに幸い全部売れたとしよ
いつ。
売上が三千円あって、仕入れた原価は千円だから、儲けは二千円あるはずであ
る。ところが、勘定してみるとお金はそんなにはない。リンゴ箱に三百円、布に
千円、棒きれに二百円と道具に千五百円払っているので、手元には五百円しか残
らないわけだ。
仮にそこへ税務署が来て、「あなたは二千円儲かったから、その半分の千円を
税金として払え」と言うとする。手持ちの五百円から、なぜ千円もの税金を払う
ことになるのか問うと、「リンゴ箱と布と棒は費用ではなく資産だ」と言う。「千
五百円の資産と五百円のお金で二千円になり、それに税金がかかる」というので
ある。
税務署はリンゴ箱はりっばな財産だというが、明日には次の土地に移るので捨
てていかなければならない。リン゛コ箱を分けてもらった八百屋に行って、買い戻
してほしいと言っても、「タダならもらってやるよ」と言われるのがおちでぁる。
布だって、おろしたてのパリッとしたものであってこそ、バナナがおいしそうに
見え売れるのだ。結局、リンゴ箱も布も棒きれも資産としての価値はない。
何度も繰り返して使えて、その価値が残るものは、会計上資産とすることにな
っているが、「本当に財産としての価値を持つものなのか、そうでないのか」と
いうのは、経営者が判断すべきものである。そして、その判断の善し悪しの結果
はすべて経営者の責任である。経営者にとって捨てる以外に方法がないものは、
資産とは言えない。経費で落とすべきである。リン゛コ箱は三千円の売上を上げる
ために使った経費であって、八百屋でまたお金を払って買い戻してくれるような
資産ではないからだ(p52-54)

税法上こうなっていますから、ということと、でも実際にはこうだよね、ということは、経営者の頭の中では区別しておかないと、まず間違いなく経営を誤る。すべての会社で100%当てはまる税法なんか作れないので、税法に経営者から見たら不満があるのは仕方のないことだし、財務会計を作るときはちゃんと財務会計のルールを順守するのが筋なのだけれど。


ついつい利益を操作したり、粉飾したりしてしまう経営者が多いけれど、この本で稲盛さんが言っていたことを肝に銘じたいと思った。

この本は、たぶん年に何回か読みなおすと思う。

(2015/3/10追記)
アマゾンの商品説明の転載は、利用規約違反という指摘をアマゾンからうけたので、削除しました。
 

10年ぶりくらいに読んだのですが、いま読み返してみても、やっぱり痛快ですね。楽しい時間を過ごすことが出来ました。原著で読もうとおもったのですが、日本語で読みました。根性ありません。



ハーバード卒の数学者(アメリカ人)とか、お医者さん(イギリス人)とか、名画を扱う画商(フランス人)とか、イギリス貴族とかが、成り上がりのアメリカ人大富豪のビジネスマンに、合法的に合計100万ドル奪われるところから物語はスタートする。途方にくれる4人。しかし、どうしようもない。だって、相手は合法的にお金をうばっていったのだから。で、4人が知恵を出しあって、100万ドルを合法的に奪い返す策を練って、実行していく。その過程を克明に描く爽快ストーリーの小説。

4人ともすごい社会的地位も高いエリートなのに、簡単に金融詐欺にひっかかってしまうあたりが、面白い。しかも相手は、生まれも学歴も無いなりあがりビジネスマン。ただし、マネーリテラシーは半端ない。社会的地位&知的水準とマネーリテラシーは相関しないんですね、みんな『金持ち父さん貧乏父さん』でも読んだらどうか、とか思いながら読み進めていたよ。



原著はこれ。

タイトルがすき。"not a penny more, not a penny less." おれたちは一円たりとも譲歩しない、という姿勢が現れている、この素晴らしいフレーズ。





(2015/3/10追記)
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最近KOBOで炎上マーケティングを敢行している三木谷さんの本を初めて読んでみたのですが、素晴らしい本。

素直な印象としては、「起業家として超素晴らしい結果を出してきている人だけれど、割りと普通の人っぽく、努力の人」、という感じ。書いてあることは、どれも当たり前のことばかりで、「突拍子もない天才」という感じはしない。

なんか、頑張れば自分もこれくらいいけるんじゃないか、とかついつい感じてしまう。

ゼロから会社を起こした過程で、一度くらい資金繰りに行き詰まったり倒産の危機を経験したりとかあったのかなと思ったけれど、そういうことはなかったらしい。もっとそういう、「あのときは潰れかけて大変だった」みたいな話を読めることを期待していたのに。

いろいろと素晴らしい言葉があったので、思いつく限り、メモ。

人間が創り出すモノはどんなものであれ改善の余地が必ずあるからだ。
(p20)

そして何かを改善すれば、必ず次の改善ポイントが見えてくるはずだ。さらに改善
すれば、また次の改善ポイントを見つけることができる......。
これを延々と繰り返してきたのが、僕たちの未来に対するアプローチだ。そしてそ
のアプローチは今も変わっていない。
僕はこれを改善モデルと呼んでいる。改善することが前提なのだ。
(p24)

スポーツは弱肉強食の世界だから、トップアスリートともなれば(これはあくまで
僕の独断だが)潜在能力の80
%くらいは開発されているのだろうし、引き出した能力
の70%くらいの実力をコンスタントに発揮しているに違いない。
ところがビジネスの世界では、そこまで使っている人は極めて少ない。
潜在能力の10%程度しか使っていない人がほとんどだろう。そもそも潜在能力を引
き出そうなど、考えたこともない人の方が多いのではないだろうか。
ビジネス戦士などと言っても、しょせんはその程度というのが僕の実感だ。
けれどこれは、あらゆるビジネスマンにとってのチャンスでもある。
潜在能力でどれだけの差があったとしても、勝てるチャンスがあるということだか
ヽり。
しかもスポーツ選手のように、昨日の自分に勝つために血を吐くような努力をして
潜在能力の壁に挑戦する必要すらない。
潜在能力を10%しか使っていない人が、たとえばさらに10%潜在能力を引き出すの
はそれほど難しいことではないだろう。少なくとも計算上では、たったの10
%で能力
は2倍になるのだ。
にもかかわらず、誰もそれをしようとしていない。
もったいないなと思う。
社員の一人一人が、あと10
%自分の潜在能力を引き出したらいったいどういう企業
になるか。僕は考えただけでワクワクする
(p34-35)

僕はこの時間をもっと有意義に使いたいと考えた。会議の大半は要するに説明の時
間なのだ。これを短縮すればいい、と考えたのだ。
そこで楽天では会議の資料を、前日の夕方5時までにすべて提出することにした。
実際の会議では、前の晩に資料を読んでいるから説明の時間は必要ない
(p48)

不条理に対して怒る人が増えれば、も
っと早く世の中は変わると思うのだが。
(p53)

たとえ毎日1%の改善でも、1年続ければ37倍になる。
1・01の365乗は37
・78になるからだ。これは、1人の人間の話だけれど、組
織として考えればもっと大きなことが起きる。
理論的には2000人の社員がいれば、1日で1・01の2000乗の改善ができ
るということだから。lo01の2000乗を計算すると、答えは4億3928万6
205となる。このように、乗数には驚くべきパワーがあるのだ。
(p53)

英語ではそういう姿勢を「Best effort basis」と表現する。現状に満足し、ここま
でやったんだからいいじゃないか、と自分自身に言い訳する人の姿勢だ。
僕はそういう姿勢を否定する。それでは、本当の意味での勝者にはなれないし、本
当の意味で仕事を楽しむことはできないと思っているからだ。
「 Best effort basis 」では永遠に月に到達できないのだ。
これとはまったく違うモノの考え方をする人がいる。
その姿勢を「Get things done」と表現する。ありとあらゆる手段を使って、何が
何でも物事を達成する人間の姿勢だ。
「 Best effort basis 」と 「Get things done」 。たとえどちらも毎日同じように努力し
たとしても、この2つの姿勢には天と地の開きがある。
(p56-57)

成功の喜びは、仕事の大きなモチベーションになる。成功の喜びを知って初めて、
人は仕事に人生をかけられるようになるのだ。
(p59)

ケネディの偉大さは、月という絶妙の目標を掲げたところにある。
月は確かに遠かった。けれど地球から38
万キロメートルの彼方に浮かぶその天体は、
絶対に攻略不可能な目標というわけでもなかった。
僕たちにとっての月は何なのか。
僕はいつもそのことを考えている。
(p60)

楽天市場がさらに発展することは、
僕たちだけでなく出店者みなさんのためでもある、と。
身勝手な言い分とは思っていない。僕は心からそう信じていた。
(p62-63)

僕の定義するプロフェッショナルは、 一般的な意味と微妙な違いがある。
アマチュアの中にもプロフェッショナルはいるし、プロの中にもプロ
フェッショナルでない人はいくらでもいる●
それでお金を稼いでいるかどうかよりも、それにどれだけ自分の心血を注
ぎ込んでいるかでプロフェッショナルかどうかが決まると僕は思っている。
すべてのビジネスマンはプロフエツシヨナルを目指すべきだ。
それはビジネスで成功するための秘密であり、そしてまた仕事を楽しみに
変えるための秘訣でもある。
(p66)

けれど人間は1000年どころか、今日と明日で狩りの方法がまったく違うことだ
ってあり得る。たとえ、同じ場所で、同じ獲物を狩るとしても。
それは人間の脳が、工夫をすることに喜びを感じるからだ。
あの高い樹の上に鳥の巣があって、そこに美味しい卵がある、としよう。
ところがどうしてもそこまで登ることができない。同じ卵を見つけた蛇も、何回か
は挑戦するかもしれない。けれど、翌日もまた挑戦しようとするのは人間くらいのも
のだろう。
登れるところまで登ってみよう。そこから棒きれを伸ばせばどうか。あるいは木の
枝を揺すって下に落とすのはどうか。落下した卵を保護するために、樹の下には柔ら
かい草をたくさん敷いておくべきか......。
様々な試行錯誤を繰り返し、その卵を手に入れた時、人間は卵の美味しさだけでは
説明のつかない大きな喜びを感じる。それを人間は笑いや歓声で表現してきたのだろ
う。
それが、人間と他の動物の最大の違いだ。その巣に達するまでにどんな苦労があっ
たとしても、蛇はただ卵を飲み込むだけだ。
(p68-69)

僕は自分の欠点も限界もよく知っている。
僕は、日標さえあれば他のすべてを投げ捨ててでも突き進むことができる。窮地に
陥れば陥るほど、俄然やる気が湧いてくる。けれど、これが最大の欠点なのだが、仕
事が軌道に乗ってしまったらすぐに興味を失いかねない。義務感だけでは仕事に集中
できない。きわめて飽きっぱい。そういう意味では、かなりの無責任と言えるだろう。
平和な時には役に立たない、乱世でしか力を発揮しないタイプなのだ。
(p72)

「銀行とか商社とか大企業が日本を変えたり、社会を作っていくという時代はもう終
わつたよ。これからはむしろ個人や中小企業が、既成事実を積み重ねて新しい社会を
作り、日本を変えていくんだ」
僕のその一言で、本城は就職活動を終わりにした。どんな仕事でもするから、僕の
会社で働かせてくれと言いだしたのだ。
(p83)

将棋やスポーツの世界では、この右脳と左脳とのキャッチボールは極めて短い時間
で行う必要がある。バッターはピッチャーがボールを投げてからO o何秒という極め
て短い時間でそれを行わなければならない。将棋にしても、せいぜい1分とか2分の
猶予しか許されないわけだ。
ビジネスの世界においてもスピードはきわめて重要だ。それにしても、スポーツ選
手に比べればはるかに長い時間を右脳と左脳のキャッチボールに使うことができる。
(p113)

世界を旅することは、文化や習慣の違いを飛び越える空間移動であると同時に、時
間軸を過去に遡ったりあるいは未来ヘジャンプしたりする時間移動という側面もある。
たとえば、急速な経済発展をする中国の現在と、一局度経済成長期の日本の姿は似て
いると言われることも、それに当てはまるだろう。国の面積も人口もまったく違う。
だからもちろん完璧に同じなわけはないけれど、ある側面を見れば確かに似ている部
分もある。ということは、これから何が起きるかをある程度は推測できる。その推測
は中国におけるビジネスのフレームワークとして使えるかもしれない。
あるいは外国でなくても、高齢化の進んだ日本の山村を訪ねれば、将来の日本に必
要となるビジネスのヒントが見つかるかもしれない。現在の山村における高齢者のコ
ミュニティが、将来の日本を予想するフレームワークとして応用できる可能性もある
だろう。
アービトラージというデリバティブ用語がある。裁定取引という日本語にすると意
味が分かりにくくなってしまうが、要するに同一のモノの地域による価格差を利用し
て確実な利益を得ることを意味する言葉だ。
僕がここで語ってきたことは、広い意味でビジネスのアービトラージと言い換えて
もいいかもしれない。ただしビジネスの場合は、Aという市場でCを買い、Bという
市場でCを売るというような単純な戦略は通用しない。
それはあくまでもヒントであって、右脳と左脳のキャッチボールを経た後にようや
く実行に値するひとつの仮説になるのだ
(p120-121)

最終的な着地点は変わってもいいが、やはり最終着地点をある程度イメージしなが
ら小さな実験をするという姿勢を持っていた方がいい
(p125)

つまりある意味において楽天技術研究所は、楽天全体の″仮説←実行←検証″機能
を加速化するための″仕組み″でもある。今まではそれぞれの現場で仮説を立て、新
しいビジネスを創造してきたわけだ。これからはそれに加えて、より遠い未来まで視
野に入れた専門家や研究者たちの仮説も、楽天のビジネスを通じて検証していくこと
になるはずだ。大学や研究機関と協力してその研究成果を、具体的なサービスにつな
げることも技術研究所の仕事のひとつなのだ。アカデミックな領域での最先端の研究
を、ビジネスに応用するまでのタイムラグをできる限り短くするにはこの方法がいち
ばんだと思う
(p131-132)

現在では、全国の様々な商店街が、大きな駐車場を確保したリイベントを開催した
りと、賑わいを取り戻すための努力をしている。その時にポイントになるのが魚屋さ
んなのだそうだ。
新鮮な魚を扱う魚屋さんは、大型店舗に対抗する切り札になる存在だ。魚はスーパ
ーの鮮魚コーナーではなく、信頼できる魚屋さんで買いたいという人がやっぱり多い
からである。
魚屋さんが元気になれば人の流れができるから、商店街そのものが賑わうというわ
ただし鮮魚を扱うだけに、毎日ある程度のお客さんが来なければ魚屋さんの商売は
成り立たない。だから商店街が寂れると、真っ先に影響を受けるのも魚屋さんだ。
売れなければロスになってしまうから、仕入れを控えざるを得ない。品数が減って
魅力がなくなれば、お客さんはさらに減るという、悪循環に陥ってしまう。
魚屋さんが元気になれば商店街が賑やかになる、けれど商店街が賑やかにならなけ
れば魚屋さんは元気にならない。
これは大きなジレンマだ。そして考えてみれば、このジレンマは全国の商店街全体
が抱えるジレンマでもある。
人の流れを取り戻すには商店街が元気にならなきゃいけない。けれど商店街が元気
になるには人の流れを取り戻さなきゃいけない......。
堂々巡りの突破口が、インターネットのショッピングモールだ。
何度も書いているようにインターネット空間に店をオープンするということは、人
通りの多い商店街に店を開くということだからだ。広い駐車場がなくても、インター
ネットを使えば何千人、何万人のお客さんを相手に商売をすることができるのだ。
(p148-149)


現代では、買い物は経験であリエンターテインメントなのだ。
そしてその傾向は、これからますます強くなると僕は思う。
そうであるならば、時代に対応したビジネスとは、多様化を目指すべきだ。
多様化とは消費者の選択の幅を広げていくことだ。
多様化した消費の対極にあるのが単一的消費。単一的消費とはみんなと同じ経験を
したいという人間のひとつの欲求を満たすものだ。
しかし、それがいつまでも続くものではないことを歴史は証明している。
かつてテレビが社会に普及し始めた頃は、日本中の人が夢中になって力道山のプロ
ンス中継を見ていた。紅自歌合戦や大河ドラマが驚異的な視聴率を記録した時代もあ
った。
人が画一化を望み続けたなら、その状況はずっと変わらなかったはずだ。
けれど今やそんな視聴率は、遠い音の記憶でしかない。ビデオ、DVD、ケーブル
テレビ、そしてインターネットの出現で、視聴者の選択の幅が広がってしまったから
だ。
高きから低きへ水が流れるように、選択の幅が広がれば人の流れも多様化する。
多様化が進むということは、社会が豊かになるということでもある。
郊外のショッピングセンターに人が集中し、世界共通のブランドショツプが隆盛を
極めるという現象も永遠に続くわけではない。巨視的に見ればそれも一種の″単一的
消費″なのだ。
振り子が右から左へ揺れるように、個人商店の時代が近い将来には確実にやってく
るはずだ。一異原宿系のショップの売り上げが増加し続けていることからすれば、それ
は未来というより現在進行形の現象と言うべきかもしれない。誰でも何でも買える時
代だからこそ、人は自分だけしか買えないものを欲しがり始めたの
(p154)

以上。本当に素晴らしい本でした。

 

柳井正の本は何冊か読んでいるけれど、やっぱり好き。彼はけっこうドラッカー好きらしいのだけれど、僕ももうちょっとドラッカーを読もうかな。

で、印象にのこった言葉をメモ。

利益とは、社会の公器たる企業が、その役割を果たしていくための必要なコストであり条件(p16)

今まで誰もが注目しなかったマーケットを自ら創出する(p44)

オーケストラを「企業」、楽器で奏でる知識を持った円筒かを「知識労働者」、指揮者を「経営者」におきかえると、さらにわかりやすくなるかもしれません。(p118)

お互いに補い合いながら、自分の得意なところを伸ばしていけば、企業としての全体のポテンシャルはどんどん高まっていくんです。(p133)

「世界をよりよい方向へ変えていく」という確かな理念がある。(p136)

日本人が幸せになればそれでいいじゃないか、というのではなく、世界中の人を幸せにする企業を考えるべきなんです。(p140)

(会社と社員は)お互いに成長できる関係を築けなければ長続きはしないでしょうね。(p148)

一番いい会社というのは「社長が言っていることがそのとおり行われない会社」(p148)

企業が長期継続的に顧客が喜ぶものを提供すること。(174)



柳井正さんに関連する、他の本。


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